2020.8.11
お茶と和菓子(後編)
vol.1 清水かなさん/STARDUST(スターダスト)
お茶のエキスパートと和菓子の可能性を模索する「お茶と和菓子」。前回に引き続き、お茶のこれから、和菓子の未来についてお聞きしました。
お茶のこれから
茶道をされているかなさん、茶道を通して様々な事を学ばれているそうです。それは茶道が自然と共にあること、日本の美意識が全てここに入っているんではないのかと思うほどだそう。普段からいろんなお茶を楽しんでいるかなさんにとって、特に日本茶はとても近い存在。最近、その身近な日本茶の状況を知る機会がありました。
「最近、出会った京都のお茶農家さんは20年ほど前から、大変苦労して農薬を使わずにお茶づくりをされてきました。今まで続けてこれたのは「近くに住む私達ではなく海外のお客様が買い支えてくれているから」というお話を聞いてショックを受けました。」
そう身近なはずの日本茶がいつのまにか私たちの生活から離れてしまっている。それは和菓子も同じかもしれません。いろんな物や情報が溢れている時代だからこそ、伝える、知るという努力が双方に必要かも知れません。
「私がこの店を始めるとき、京都で日本のお茶をお出しするなんて敷居が高すぎると思いましたが、今ではそうでないと思えます。お茶を一生懸命作ってる方のお役に少しでもたてれば嬉しい。」
昔は自分でお茶を栽培して飲んだり、今もちょっと山の方に行ったら野生のお茶の木もあるそうです。もともと身近だった日本茶が遠い存在になってしまっている現状、かなさんは少しでも良さを伝えて、日本茶を暮らしに戻していきたいと頑張っています。
自分のお茶を育ててみたい
生活をとても大事にされるかなさんに、これからどんな風にお茶と向き合っていきたいか尋ねると、かなさんらしい答えが返ってきました。
「お茶の木の苗を植えたいなぁと思っています。自分で育てて、摘んで蒸して揉んで飲む楽しみを味わったりしたい。」
ちょっとびっくりしたけど、でもよく考えたらすごく自然なことだとすぐにわかりました。それは庭で野菜を育てるのと同じことだから、なぜ私たちがそれをしていないかさえ、不思議な気がしてきました。
和菓子の可能性
たくさんのお話を伺ってきましたが、かなさんのメッセージにはどれもしっかりとした軸がありました。「生活を大事にする」それはとてもシンプルなメッセージですが、とても詰まった言葉に聞こえます。流通の発達、インターネットの便利さでライフスタイルは多様化する反面、生活はシンプルになるどころか縛られているように感じます。和菓子も時代の変化に対応するために、いろんな味や形のバリエーションを増やすことに終始してしまう現状にかなさんはこう教えてくれます。
「背景をもっているものを大事にして、追及していくと、美しさがにじみ出てくるものだと思います。」
お茶にとっても和菓子にとっても、先人たちが培った素材や形の必然性を大事にすることこそ、未来への可能性の塊かもしれません。
寺町本店では、かなさんがセレクトしてくれたCHA YUAN Equinoxes (エキノックス)をフルーツの羊羹とセットにして喫茶スペースにてお出ししています。ぜひ、かなさんの感性を楽しみにお越しください。
フルーツの羊羹のご購入はこちら
http://uchu-wagashi.jp/?pid=150748507
寺町本店のご案内
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